DYEDシリーズ(柿渋染め商品)ご予約について
ご予約をお受けしてから1点ずつ当工房にて生地を染め、トートバッグに仕立てます。
というのは、柿渋主成分のタンニンは、太陽の紫外線により徐々に色が濃くなる性質があり、生地の染めたては薄色で経年の色の変化も楽しんで頂きたいためです。
DYED BLACK (柿渋鉄媒染)は染めたては墨グレーですが、経年と共に茶色味がかってきます。
また染めたては木酢の香りがしますが徐々に消えていきます。
●柿渋とは
柿渋染め(かきしぶぞめ)は、渋柿の未熟な果実を絞って得られる「柿渋液」を使って布や紙、木材などを染める日本の伝統的な染色方法です。その独特の風合いと、柿渋が持つ様々な機能性から、近年改めて注目されています。
柿渋染めの特徴
経年変化による色の深まり: 柿渋の主成分であるタンニンが年月と共に縮合重合することで、色がどんどん濃く、深みのある「柿渋茶」のような色に変化していきます。使い込むほどに味わいが増すのが大きな魅力です。
防水・防腐・防虫効果: 柿渋を塗り重ねることで、タンニンによる皮膜が形成され、丈夫になり、防水効果が得られます。昔の番傘や漁網に使われていたことからも、その効果の高さがわかります。また、防虫・防腐効果も備えています。
堅牢性(耐久性)の向上: 柿渋に含まれるペクチンには接着性があり、塗布されたものを丈夫にする効果があります。
消臭・抗菌・抗ウイルス効果: タンニンには消臭効果や抗菌効果も期待できます。近年では、特定のウイルスを不活化する研究結果も報告されており、マスクなどにも活用されています。
天然素材で人体に無害: 化学物質を含まない天然素材なので、人体に優しく、環境にも配慮されています。ホルムアルデヒドを吸着し無害化する効果も報告されています。
柿渋染めの歴史
柿渋の利用は古く、平安時代には既に漆の下地として使われていた記録が残っています。衣類に使われたのは、平安時代の下級の侍が着ていた「柿衣(かきごろも)」が始まりとされています。江戸時代には、歌舞伎役者の市川団十郎が好んだことから「団十郎茶」とも呼ばれ、当時の流行色の一つでした。
戦後、化学製品が普及したことで一時的に存在感が薄れましたが、シックハウス症候群などの問題から、天然素材である柿渋が持つ優れた効能が再評価され、注目を集めています。